インレー/アンレー修復

目次

インレーとかアンレーって?

MIとは言うけれど・・・

治療の流れ

 

インレーとかアンレーって?

インレー(Inlay)、アンレー(Onlay(オンレーとも))は、むし歯を削って形を作って、型を採って、外部(主に技工所)で作ってもらって、詰める、という処置です。

インレーは咬頭(歯の山頂?のところ)を含まず、アンレーは咬頭を含むと呼び名が変わります。

 

MIとは言うけれど・・・

MI(ミニマルインターベンション)はCR修復でも書きましたが、最小限の侵襲という意味で、究極は「削らない」ですが、
削る方がメリットが高いむし歯では、なるだけ削る量は抑えたいわけです。

そのためCR修復は非常に良いのですが・・・

カリエス(MI説明)

カリエス除去(MI説明)

CR(MI説明)
とまぁCRだったらほぼむし歯だけを削って、そこにCRを詰める。
インレー修復だと
インレー(MI説明)
と言う風にむし歯以外の場所をも削って型を採って金属等で詰めるのです。

が、CRが万能というわけでもありません。
強度は過去のCRに比べて上がっています。
辺縁封鎖性といって詰め物と歯の境目というか隙間もゼロに近いです。

しかしながら、削る必要がある範囲が大きくなると歯の形態を再現することが難しくなり、
また、CRは硬化前は水分に弱い(硬化前に水分に曝されると十分な硬さにならない、また接着性能が著しく低下する)ので、
たとえば歯肉縁下(歯肉より低い位置)で埋める必要がある場合は、十分な防湿コントロールが必要になり、それが難しい場合はCRの適用になりません。

その場合は、削る量は増えるけど、インレーやアンレーという型を採って外部で作る方がメリットとして上になります。

 

治療の流れ

たとえば、

アンレーの説明:虫歯

という風に歯の手前、歯の奥、咬頭(歯の山の部分)と広範囲に虫歯になっている場合、ほぼほぼCRでは厳しいです。
(といっても出来る先生もいます。出来るというのは形態も歯と歯の間なども充分に再現しているという意味です。)

むし歯を削って、深いところをセメントやレジンで埋めて、
(このイラストは面倒だったので描いてません)

 

アンレー形成
形を整えます。

そして型を採って、技工所さんに作ってもらって

アンレーセット
保険だと、金属の詰め物をセットします。
保険外だとゴールドだったりセラミックだったりジルコニアだったり・・・。

詰め物が入るまでの間は仮封とかシールと呼ばれる仮の蓋をして、出来上がるまでの約1週間はそのままです。
注意事項に関しては、コラムの「シール後の注意事項」をご参照ください。

CRだろうとインレーだろうとFMC(全部被せるいわゆる銀歯)であろうとセラミックだろうと所詮は継ぎ接ぎというかニセモノなので、二次カリエス(再度のむし歯)のリスクがあがります。
気をつけての歯みがき、食生活、フッ素の適用が重要になります。

 

そして削る範囲が更に広がってきたり、また神経がない歯だったり、歯の表面に細かいヒビが入ってたりしていくと、インレーやアンレーではなくいっそのこと全部被せるようにしたほうが、削ってしまうけどそれ以上によい場合もあります。