「セルフ」とか「おうちで」とか

最近、セルフホワイトニングとかおうちで格安マウスピース矯正(アライナー型矯正装置)とかを謳うビジネスをちょこちょこと目にします。

セルフホワイトニングは、その施設に行って自分で薬剤を塗って照射器を当てたり嵌めたりする。そしてそこには歯科医師はいない。

おうちで格安マウスピース矯正は、提携歯科医院に行って検査確認して型を採って、あとは通うことなく適宜送られてくるマウスピースを嵌めて、たまに歯並びを自撮りしてLINEなりで送る。

という投げっぱなしビジネスです。ビジネスであり治療ではありません。

いくら安いっても・・・・

 

セルフホワイトニングは歯科医師がいないために歯科医師の元使える漂白効果の高い薬剤は使えません。
と言うことからわかるようにホワイトニングというほど白くはなりません。せいぜい着色がちょっと落ちるかなぁ?程度。
(実は訴えられないように小さく「※自分の歯より白くなることはありません」、なんて書かれてあったりします)
だったら保険診療で歯科医院でクリーニング受けた方がむしろ安いです。検査もしてくれるしね。純粋にクリーニングというだけなら自費でPMTCとかもありますし。

 

格安マウスピース矯正は更に怖い。
そもそもマウスピース矯正は矯正治療としての適用範囲は狭く、なんでもかんでもマウスピースで動かせません。外せる、ということがウリなのですが、外せる、ということは固定が弱いことなので動きは悪い。基本二次元的にちょっとがたつきや隙間のある歯並びが治せるかな、です。矯正専門医じゃないのでなんとも言えませんが。
ただ、マウスピース矯正は適用範囲に合致する歯並びだと楽だろうなぁとは思います。通常のワイヤー矯正と違って外せるし。食事や歯磨きがしやすい。1日20時間以上つけておくことが条件ですが。
そしてマウスピース矯正はコチラ側にも(経営的な)メリットが高いのです。なぜならこっちは検査して型を採るだけ。あとはラボに送れば理想の歯並びまでに必要なマウスピースが適宜送られてくるのをお渡しするだけです。

だから?、矯正専門医でも何でもない一般歯科医でも手を出しています。

ただし、矯正歯科学会はマウスピース矯正はワイヤー矯正に移行する可能性があることを指摘しています。
矯正専門医や矯正認定医じゃなくてもいいんだけど、治療としてのちゃんとした診査、判断能力、そしてマウスピース矯正で上手く動かなかった際のワイヤー矯正によるリカバリー能力があってこそなのです。

だから、ウチの矯正医である岩崎先生がやるんならともかく、僕自身はマウスピース矯正は絶対にしません。

「マウスピース矯正で集患・増収」なんてセミナーもあったりしますが、とんでもない。

矯正の認定医・専門医が、少なくとも矯正歯科専門クリニックが、矯正治療の選択肢の一つとしてマウスピース矯正を行うのには全く疑義を挟みませんが、判断力がなくワイヤー矯正すらやらない(やれない)歯科医がマウスピース矯正に手を出すのは非常にマズイと思っています。
(先生の中には矯正の専門医で何でもないのに生半の矯正医より腕の立つ先生もいたりするので肩書きだけでは判断しづらいのですが)

だからちゃんとしたソースはないけれど、最近の歯科における医療訴訟はインプラントよりマウスピース矯正が増えているという噂も聞くのですよ。

 

一応「歯科医師」が常駐してもコレなのに、歯科医師すらいない格安マウスピース矯正を是非ともやりたい、という人から相談受けたら全力で阻止するし、それでもやりたい、って言われたら、まぁ好きにすれば。

 

最近facebookにやたらと広告が流れてきたおうちでマウスピース矯正の業者は、提携歯科医院に最初受診して貰うとかいって一軒しかないし、しかもその医院は矯正歯科医院ではない上にそもそも矯正歯科を標榜していないし院長も矯正のきの字もかすってないってていたらく。
(おそらくまともな矯正歯科医院がこんなのに提携するとは思えない)

しかもアライナー型矯正の適用範囲外で矯正の中でも難しいと言える受け口(反対咬合)や前歯が閉じない(開咬)までも適用範囲としているなんて・・・

 

その業者の親会社はマーケティング支援事業が主みたいだけど、ホームページに会社概要のページはないし、連絡先は携帯番号だし、会社の住所は賃貸マンションだし・・・・まじか?
これ、その業者が飛んだ場合、一軒だけの提携歯科医院に責任を求められそう・・・・提携歯科医院、やらかしたのでは・・・。