ソースは俺!

呆れてしまう記事が流れてきた。

『日本の歯医者は時代遅れ! タイで歯科治療したら日本の歯医者には二度と行きたくなくなった件』

だそうだ、筆者はタカ・大丸。

ジャーナリストである。マジで?
ジャーナリストの定義がわからんけど、この人のハーバービジネスオンラインバックナンバーを数件流し読みしたけど、自分の体験談、身近な友人知人の話の引用、あとはネット検索で調べられそうな内容を書いてあるだけなんだけど・・・。

この記事もそう。あたかもタイは全部スゴい、日本は全部ダメ、と言わんばかりだけど、単に自分の経験なだけで、この人単体で日本での治療がハズレでタイの治療がアタリだっただけ。

そんな自分の経験が全体的にそうである、という誤った帰納的論理を振りかざしているだけで、ではその個人の経験が全体的に真である、という結論を補強する資料が一切ない。
これでジャーナリストか。
それとも、彼の手法をとるならこれがジャーナリストか?

 

『その後数か月にわたり毎週歯科に通っては、問題の歯にあけられた穴に針のようなものを通し、痛い思いをする。もちろん、毎回数千円を支払う―多くの方に同じような経験があるはずだ。』

と根管治療に毎回数千円かかることはない(実際は数百円)のに、自分の誤った歯科医院での経験を大上段に振りかざす。
この間違った金額を裏取りしてない。そうじゃ無ければ日本の歯科医療を貶めるためだけに数字を盛っているのか。どっちにしろジャーナリスト失格である。

『最初に一言。日本の歯科治療は、タイの足元にも及ばない。いや、この表現ではタイに失礼だ。「足元」では少なくとも同じ土壌に二者が立っていることになるからだ。天と地、マリアナ海溝と冥王星くらい離れているといっても過言ではない。

 動かぬ証拠が、筆者自身である。』

筆者の経験だけが全てなんだ。へー。
これはアレだな。
「牛乳飲んでも身長は伸びないよ、ソースは俺。」

 

そして根管治療の話になる。

『日本において、ラバーダムを使用しない理由は簡単である。「保険でラバーダム費用がカバーされない」からだ。
つまり、使用する場合は歯科医の持ち出しになってしまうのだ。要は正直者が馬鹿を見る仕組みになってしまっているということだ。』

それは本当。以前はラバーダム費用がありました。少しだけど。僕はラバーダムの代用品を使用しています。

『顕微鏡が導入されない理由は簡単で、お馴染みの「保険適用ではない」からだ。』

これも本当。

『第三に、これは写真を一目見ただけではわかりようがないが、写真の担当医は単なる歯科医ではなく”RCT専門医“である。つまり、彼女は虫歯治療や親知らずの抜歯、入れ歯作成その他諸々の治療は一切行わず、RCTのみに特化している。』
『日本の歯科医は「何でも屋」にならざるをえないから数々の矛盾を引き起こしているのだ。』

このジャーナリスト(笑)は、タイの自費診療医と、日本の保険診療医と条件が全く異なる状況を同一で語っている。そして日本に多くの歯内療法の専門医が自費診療でやっていることをご存じではないようだ。
タイと日本で比較するならせめて日本の専門医の治療と比較してくれ、頼むから。

『第五に、時間である。日本のRCTで何度も通わされる理由は簡単で、短時間で人数をこなさないと保険点数を稼げないからだ。』

短時間で人数をこなさないと保険点数を稼げないのはその通りだけど、根管治療に回数をかければかけるほど赤字なのだよ?
本当にヒドイ歯医者は、根管治療に時間はかけません(間違った意味で)。
何度も治療したくないんだよ、本当に。
自費の専門医のところに患者さんを紹介したことありますよ。確かにあっという間に終了して帰ってきましたよ。
もっとも、予約の電話をして、受診して治療開始までに時間がかかっていたけど。

このジャーナリスト(笑)が言うように保険制度の限界がありマイクロスコープを使うということがそうそう出来ない。
マイクロスコープは安くても設置費込みで500万くらいかかるし、ハイエンドモデルだと1000万超える。
しかも倍率を上げるほど見える領域は当然狭くなるので時間がかかる。
これを毎回保険診療では出来ない。

僕はマイクロスコープ欲しいけど、金額のこともあるし、専門医でもないので慣れるのに時間がかかるし、使いこなせるほど時間と回数をかけられない。
ジレンマなのです。

 

こんな裏も取らない、単なるチラシの裏、個人ブログレベルの駄文をどうどうと載せて金をもらっている神経、そしてそれを載せるメディア、
これが日本のジャーナリスト、日本のメディアなのか、とタカ・大丸一人を見て帰納的に結論づけちゃうよ?

ソースは俺。

 

ちなみに、同じハーバービジネスオンラインで、タイの軍人による銃乱射事件が載ってた。