艱難

艱難(かんなん
〘名〙 (形動) 困難な目にあうこと。つらい目にあうこと。苦労をすること。また、そのさま。

 

小さい頃、映画館で映画が始まる前の広告で、ウェスタンな風体の外国人が見晴らしの良い空気の美味しそうな場所でおもむろにタバコを美味そうに吸うシーンを今も覚えています。マルボロかな?

子供ながらそれを見てタバコ美味しそうだな・・・・とは全く思わず、むしろなんで空気の綺麗そうな場所でタバコ吸ってるんだろ?と思いました。

 

昔は、飛行機に乗るとベルト着用のサインの横に禁煙マークが灯り、水平飛行に移ったところでベルト着用のサインとともに禁煙マークも消え、そこらの大人がタバコを吸い始めていました。

次第に禁煙、受動喫煙の害の流れが出てきて、ANAやJALなど国内大手が機内禁煙を掲げ始めたなか、最後の砦として今は亡きJAS(日本エアシステム)だったか更にその前身のTDA(東亜国内航空)だったかが、機内分煙でした。

大学生の頃、帰省するときに飛行機の予約が遅くなってしまい、やむなくそのJASの喫煙席を予約したところ、最後の砦だから喫煙者が勢揃い。一斉に僕以外が吸いまくるので酷い目に遭いました。狭い機内で分煙なんかできてたんだろうか?

新幹線でも長らく禁煙車両と喫煙車両に分かれていて、禁煙車両に座っていても扉の近くで、その次の車両が喫煙車両だった日には人の通行で扉が開くたびにタバコの煙が流れ込んできて何の意味も無いなと嘆息した記憶があります。

そして禁煙の流れは加速し、禁煙を促すという錦の御旗でタバコ税増税も行われて・・・ていうか増税の理由が禁煙を促すとかお為ごかしもいいところだな。

2020年4月から東京都は飲食店は基本原則完全禁煙となることが決まっていて、ヒガコのコメダ珈琲も喫煙席がなくなりましたし、近くのジョナサンも分煙から喫煙室オンリーに変わり、さらにはそれすらも無くなってしまいました。

 

僕自身、タバコは吸わないから世の中からタバコが消えても何にも問題は無いのですが、でも何となく、そこまで締め出さなくてもいいんじゃないか、と喫煙者の悲哀を感じてしまいます。

また、その増税もですが、
20数年前くらいか、大学に行く前に見ていた朝の番組でタバコはどこまで値上がったら禁煙するか、という街頭アンケートがあり、
多かったのは500円まで値上がったら止める、というものでした。
ただある人は、そこまで値上がったら、むしろ自慢げに吸う、という返答も。

記憶と照らし合わせると、たぶんその街頭アンケートは1997年のタバコ税増税か、1998年のタバコ特別税の施行あたりだと思いますが、
ハイライトが1997年で230円、98年で250円の時代です。

ハイライトは1960年に70円で発売され、度重なる増税で80円、120円、150円、170円と上がり、物価指数(リンク先pdf)が今とあまり変わらなくなったバブル崩壊後の1993年の時点で220円。
98年で250円、2006年に290円、そして2010年に410円に。そして現在は450円。

一部のタバコは、かつての朝番組で言っていた500円を超えています。自慢げに吸うと言っていた人は、今も吸っているのでしょうか。

世間的な風当たりも強いだろうし。

 

僕も職業上、タバコは吸わないし、患者さんにも吸わないことを勧めます。

タバコを吸うと毛細血管が収縮するため、歯肉への血流が阻害されます。そのため歯周病菌に対する防御機能、修復機能ともに低下するのです。

だから、歯周病をスゴく気にされている患者さんが、「日々の歯磨き以外に何か対策無いですかね?」
と聞かれたので、僕はすかさず
「禁煙すれば良いんじゃ無いですか?」

 

結局、度重なる値上げ、吸う場所が無い、世間の風当たり、20年以上のそういった艱難を乗り越えて吸い続けてきた猛者は、どうやらそうそうやめられない感じ。

1000円くらいになっても止めないのかなぁ・・・・

 

艱難汝を玉にす
意味:人は困難や苦労を乗り越えることによって、初めて立派な人間に成長するということ。

 

なのだけれど、艱難を乗り越え吸い続けても、別にこれは汝を玉にすることはないでしょうね。