ペンギン・ハイウェイ@audible聴了

森見登美彦の小説audible版は、「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」そして「ペンギン・ハイウェイ
人気作品がオーディオブック化されるため、これら3つともアニメ化や実写化されています。

最初、夜は短し歩けよ乙女を聴きました。軽快に聴き終えられました。
なので次はと有頂天家族を聴き始めましたが、断念しました。
で、最近になってペンギン・ハイウェイを聴き始めました。

audibleサイトより

森見登美彦氏の3つ以外の作品を知らないのですが、なんというか独特の世界観と描写。

ペンギン・ハイウェイは第31回日本SF大賞受賞している。

SF、サイエンスフィクションなのだけれど、ペンギン・ハイウェイはそっちではなく藤子・F・不二雄の提唱した「すこし・ふしぎ」のSFなのでは?
夜は短し~も有頂天家族も「すこし・ふしぎ」のSF。

 

昨日の自分より偉くなるための努力を惜しまないアオヤマ少年の、歯科医院に勤める「お姉さん」と謎のペンギン、謎の球体「海」を巡る不思議な話。

アオヤマ少年は、怒らない。
『怒りそうになったら、おっぱいのことを考えればいいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ』
という含蓄のある言葉を残す。

そして話は謎だらけ。わからないことをわかるために、わからないという世界の果てに行くために研究を重ねるアオヤマ少年だけど、この不思議な話は謎のまま。

軽妙なトーンで流れていく物語は、軽妙なまま終わる。だけど、最後、じわっと泣きました。イトーヨーカドー前のフェスティバルコートの隅っこで。まずいまずい。

なんでしょうね。小説にしてもドラマにしてもマンガにしても「ほら、ここ感動するところ、涙するところだよ、ほらほら」っていう思惑が透けまくりの作品が多い。それでも確かに困ったことに思惑に乗って泣くんだけど。

ペンギン・ハイウェイは、そんなラストのシチュエーションは明らかなのに、でも文体には思惑めいた感じが少しも出てこなかったのに、気づいたら涙腺が。あらやだもう。
その泣きのシチュエーションを経た後の、アオヤマ少年の新たな決意も、ぐっときた。

朗読の人も上手で、
アオヤマ少年の発する「僕にはわかりません」
文章には悔しがっている直接的な描写は一切ないけど、会話での声の表情は悔しがっている。声のテンポも状況に応じて変化している。おかげで没入できた。

有頂天家族は、序盤で置いてけぼりくらって断念しちゃったわけだけど、聴き終えた夜は短し~もペンギン・ハイウェイも本として読んだら僕は読み終えていたかな?
なんとなく僕の場合は声に助けられたんじゃないかという気がします。

だから、森見登美彦氏の他の作品が気になるけど、本を買おうというところまでいかないんだよなぁ・・・

 

ところで、この物語の重要人物である歯科医院に勤める「お姉さん」。
何が気になるって、お姉さんの大きいおっぱいが・・・・じゃなくて。肩書き。
お姉さんは、文章での感じだと少なくとも「歯科医師」ではない。だけど、上手らしいから、「歯科助手」ではないようだ。歯科助手は患者の口の中触れないからね。となると「歯科衛生士」かなぁ。
物語上、そんな肩書きは重要でもなんでもないから全く言及されてないけど、僕は職業上どうしても気になってしまうのでした。
アオヤマ少年の言う、歯科医院に来る「患者さん」ではなく「お客さん」の言い方にも気になったけど、これは実際にたまに言われるコトなので、小学4年生ならいくら頭のいい少年でも致し方ない、か。