これからの歯医者って大変だよな・・・って

これからの歯医者って増えすぎて大変だよな、儲からないし良いことないよな・・・・って、僕が学生時代、つまりは25年くらい前から、おそらくもっと前から言われてきました。
しかも、そのことを言った先生って卒後2~3年くらいの大学に残った新米ドクターだったんですが。

今思うと、そんなぺーペーで、しかも大学病院で守られて、せいぜいバイトでクリニック経営なんて何も判ってない歯科医師程度がイキがって業界の先輩面していただけなんだろうなって思います。
そしてなんとなくだけど、そんなペーぺーがそんなネガティブなことを言っていることが、その先生の未来を写しているんじゃなかろうか、と。

自分の仕事に先がないと言うヤツが未来を拓けるとは思えない。
(まぁとはいえ、そういうぺーぺーでも、どこで人が変わるのかわからないのが人間の凄いところですが)

 

歯科医師の需要が今後どこにあるか。
単に削るという時代は縮小していき、予防とかまぁいろいろ需要は変化していきます。
そもそも少子高齢化というか人口減少のため業界全体の縮小化が進んでいくと思うけど、一番歯科医師が多い年代の団塊の世代が引退していき、歯医者、歯科医院が自然減になっていきます。もっとも我々団塊ジュニア世代がまた多いんだけどね。

そういう縮小化の中であっても、「歯科医師」はなくなることはないし、なくならない、のであればどんな業種であっても生き残るチャンスと術は必ずあるわけです。

明るい未来が見えないヤツに明るい未来が描けるはずもなく、思い描く未来が、意志が強いほど、生き残れるんだと思います。

 

とはいえ。

開業してもうすぐ丸12年。大した物を持っているワケではない僕が順調にサクラ歯科医院をやれているけど、
新規開業する先生方は、今と12年前じゃ業界を取り巻く環境が大きく様変わりしている感じはあります。

 

歯科の内覧会をしれっと見に行く悪趣味があるのですが、
そもそも内覧会というイベントは、僕が開業した頃くらいからメジャー化してきたらしく、僕の時は内覧会業者なんて存在してもまだマイナーな存在だったようです。
だから、サクラ歯科医院は2008年3月1日(土)と3月2日(日)に自分たちだけで内覧会を開きました。親まで動員して。そして3月3日(月)よりオープン。

今や内覧会業者に頼む方が当たり前になっていて、開業前の土日の2日間だったのが、最近だと金土日の3日間や、2週に渡って4日間行うとか、たしか動員数にもよるけど2日間で100万円くらいかかかるという話があり、4日間となると200万??

そして、歯科材料業者がからむ開業コンサルや開業サポートの連中に頼ると、やれ他院との差別化と称して、CTが~、レーザーが~、滅菌が~、マイクロスコープが~、セレックが~、ナントカ水が~、ウェブ予約が~、ステキHPが~と、よってたかって金を使わせようとする。
おかげで、イニシャルコストが僕の頃より数段跳ね上がっているようです。

しかも、新規参入は既存クリニックがやってないこと、日曜もやれ~、夜遅くまでやれ~、祝日もやれ~と馬車馬のように働かされる。

そして、人件費もどんどん上がっている。東京都の最低時給はここのサイトによると、2008年時は766円で、2019年では1013円です。

当然、希少価値の高い歯科衛生士の月給も跳ね上がっています。
歯科医師の求人募集でもウチは歩合制ですが、月給の最低保障というのがあり、2009年に募集したときの最低保障は25万で、それでも割と多くの求人募集があったのですが、今は新卒でも最低保障は40万とか45万とか提示しないと募集が来ない有様です。しかも募集もほとんど来ない。

衛生士も、歯科医師も、都心部で就業時間も短く、スキル獲得のための残業勉強すら嫌うという人が多い。
(自己研鑽の意識が高い人たちは、最初から能動的に厳しいところを選ぶので、ウチには引っかかりません)

保険の金属代も凄いことになっています。保険で使う金属、12%金銀パラジウム合金(通称金パラ)は一袋30gで考えるのですが、僕が開業した頃は記憶だと一袋1万2千円くらいで、翌年あたりは9千円くらいまで下がってました。
が、今は一袋6万円前後ですよ!
当然、それに併せて保険点数も上昇しているのですが、金属の上昇率と全く比例していません。

イニシャルコストは上がる、つまり借金は増える、立地のいい場所を選ぶと家賃も高い、人件費も高いと固定費もかなりな額になる。
なので毎月の返済額もバカにならず、
なのに保険診療は抑えられている、自費率を上げようとするも、景気が良いとは言いがたい。

さすがに、明るい未来を描けと言われても、嘆息の一つや二つは出るってもんですよ。

 

と、先日、12月1日から武蔵小金井のアクウェルモールに新たにオープンする歯科医院の内覧会を見に行って思ったわけです。

歯科の治療椅子、ユニットが将来的に6台も置ける広いスペースで、院長は、最初は自分一人だから3台からですが、将来的にドクターを増やして6台まで置ける、ということを言っていたのですが、そのドクターがなんらかの伝手がないと来ないのよ・・・。

しかも、僕の開業時は、開業してから4年間、近くで新規開業の歯科医院がなかったので(実は1軒あったのですが、どういう事情からかひっそりオープンし半年でひっそりと閉院していました)、じっくり根付くことが出来ましたが、
来年にオープン予定の第二再開発地区、武蔵小金井シティクロスにも歯科医院が出来るという情報がありまして、
クリニックのブランディングが確立する前にまた近くに新しく出来てしまうという事情が、ますます今の人たちは大変だなぁと思います・・・。