Audibleのラインナップにガガガ文庫という小学館のライトノベルレーベルが多数アップされたので、タイトルが気になった「とある飛空士への追憶」(犬村小六著)を購入。
黒部ダムの行き来に聞いていたためあっという間に聞き終えることに。
結構な人気作品だったらしく、いくつかの賞を受賞していたり、映画化もされたりしたようです。
もっとも映画は監督等上位陣が原作を読み込まないまま作ったため内容も重要部分をカットしたり、声の人も声優ではない素人(タレント、グラドル、お笑い芸人)を起用したことから開封前より予想されたとおり大コケだったり原作ファンの怒りと諦観が酷かったらしいのですが。
Audible版は男女二人の声の人を起用しています。さすがにプロ声優だけあって、上手です。(物語の終盤、ヒロインのデレが強くなってきた頃の声はいかにもなアニメ声のためちょっとキツかったけど)
朗読の主は主人公である狩野シャルルの声であり、ヒロインのファナ・デル・モラルの声はファナの「 」の部分だけを請け負うため、ファナのモノローグがシャルルの声だったりと、男女二人版って担当の線引きが難しそうだなぁと思いました。
(とはいえ、「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」のような章ごとに声が固定されているのも非常におかしかったが)
ただ、Audibleで小説を聞いていて思うのが、女性声優は男性パートをこなせるけど、男性声優の女性パートはやっぱり無理があるなと。慣れれば聞けるんだけど。ジョーカー・ゲームしかり銀英伝しかり。
内容は、身分高き絶世の美少女ファナを、戦乱の中、首都へ送り届けるために、底辺層の流民ながら天才的な腕を持つ主人公シャルルが副座式水上偵察飛空機を用いて単独で戦場を飛び抜ける約6日間の話。
ファナとシャルルは幼い頃一度だけ出会い会話している。その頃のファナは快活な少女だったのが、再び出会ったときには高貴な身分に課せられた面倒さにより心を閉ざしてしまっている。
そんな困難な二人旅と閉ざした心を溶かしていくお話。
内容はありがちと切って捨てるのもどうかと思うけど、ありがち。逆に言うと王道。
お互い好きになりかけていたけど、そのまま最終的には何もなくさわやかな別れとなったのも良いですね。それもまた王道か。
そんなんなので特に感動もなし。ただ、空戦の描写はわかりやすく、なんというかラピュタとかナウシカとかその時に使われるBGMが頭の中に自然と流れてきました。
ただね・・・・
聞いていると謎の単語が出てきて、「?」となります。
「およくから軍用ボートに乗り込み・・・・」(フロートを使って海上に停泊しているシチュエーション)
「飛空機のおぶが・・・・」
「およく」?「おぶ」?
もしかして尾翼(びよく)のこと?
もしかして尾部(びぶ)のこと?
いやいや、そんな言い間違いするかな?
この世界は飛行機じゃなく飛空機だし、飛行士じゃなく飛空士だから、そういう名称なのかしら?
でも、「首尾線」らしきワードは「しゅびせん」って言ってるしなぁ・・・
と思ったら。
「イワナがにお釣れた。」
「にお」???
さすがにこれは二尾(にび)のことだろ?
声の人のせいなのか、現場のディレクター?のせいなのか、「尾」を「お」としか読んでない。首尾線だけは「び」と読んでいるけど、コレはふりがなふってあったのかな?
以前、なろう系ラノベの「フェアリー・テイル・クロニクル」Audible版でも「重用(ちょうよう)」を「じゅうよう」と読んでいたりして、コメント欄に読み間違いが多いと指摘があったけど、
「尾翼」、「尾部」は飛空機を舞台にしている特性上、頻繁に出てくるために、「およく」「おぶ」と読まれるたびに心が蹴つまづくため結構マズいと思いますよ・・・。
それなりに気持ちの良い内容だっただけになんというか・・・。
黒部ダムの行き来に「おぶ」「おぶ」言うもんだから、帰りにスーパー銭湯寄るのに「林檎の湯屋 おぶ~」を思い出したわけで・・・。
続く