金パラ

「歯科鋳造用金銀パラジウム合金」です。通称「金パラ」
金銀と続くと僕らの世代は「金、銀、パール、プレゼント♪」なんて繋がっていくのですが、ご理解いただけますでしょうか。

 

 

袋を開けて写真撮りたいけど、これは技工所に渡すモノなので破ると内容量は変えてなくても胡散臭いと思われるので開けません。

 

むかーしから日本では保険適用金属として使われています。そこそこの硬度と弾性があるため丈夫なのです。
ただし、口腔内は食事などにより酸性アルカリ性と目まぐるしい環境変化が起きます。
それにより金属が溶出し、それを体内に蓄積し、果ては金属アレルギーを引き起こす可能性が示唆されており、
先生によっては保険の金属全否定だったり、やれ海外では使用禁止されているんだ、とか言われています。

パラジウムは金属の格としては卑金属に類します・・・・と思っていたのですが、貴金属類でした。患者さんに嘘ついていた・・・。

格云々はともかくとしてパラジウムはレアメタルです。
そんなレアメタルを惜しげもなく保険の治療用金属として使っているわけです。20%だけど。

材料屋から歯科鋳造用金銀パラジウム合金を買うときは基本的に一袋30gで買います。

開業時、つまり11年前は一袋1万3千円くらいだったのですが、10年前は1万円をきっていました。

それが、今や5万5000オーバーですよ!?

ナニコレ???

微妙に安くなるときもあるのですが基本的に10年前から右肩上がり。
一応、保険点数もそれに合わせて上げてはいるけど若干実態に追いついておらず、また保険点数を上げると言うことは医療費の高騰や患者負担の高騰に繋がるわけです(とはいえ医科と比べて歯科の医療費は微々たるモノなんだけどねぇ)

なんでこんなに高くなるの?と値上がりのたびに材料屋さんに聞くと、毎回言い訳が。
あるときは北京オリンピック景気だとか、上海万博景気だとか、中国のレアメタルを売らないとか、それに伴う投資屋のせいだとか、円高だとか・・・・。

そして最近の言い訳は、欧州におけるディーゼル排気ガス不正問題で、発覚後厳しくなったから。

というのがパラジウムは排気ガス浄化の触媒として使われているらしい。他にもWikipediaにはいろんな触媒として利用されているらしい。書いてある内容がよくわからんけど。

そんなこともあり、金属アレルギー問題もあることだし、金パラに頼らないハイブリッドレジン(ハイブリッドセラミック)ブロックを削り出して作るCAD/CAM冠の適用領域が増えたりしています。

とはいえ限界もあるし、やっぱりメタルの方が咬合力に対して安心感もあるので、必要としています。
結構な範囲を僕もCR(コンポジットレジン)充填でやっていますが、やっぱり限度があります。

 

ていうかね。

現在、パラジウムの小売相場価格表ではグラム6000円です。
対して、ゴールドではグラム5000円です。価格逆転。

まぁゴールドは基本的に柔らかいから純金は使用に耐えられず、だいたい16Kから18Kくらいで使うんですが、とはいえ、こうもパラジウムの価格が高騰しているんなら、いっそゴールドを保険適用にしたら?
ゴールドは金属アレルギーにも問題が少ないしさ。と思ってしまいます。

・・・と思ったけど、保険適用の金パラでは12%のゴールドなのでグラム600円と20%パラジウムでグラム1200円、他の含有金属は銀ですら安いので計算しないとしてもグラム1800円となりますが、
18Kのゴールドでは、18Kつまり75%ゴールドなのでグラム3750円で16Kでも3350円なので、さすがに未だ倍の価格になるゴールド合金を保険適用にってのは無理がありました・・・。

でも価格が下がる気配が全然ないのでいつか並ぶんじゃないの??

 

そんなことも、あいかわらずの医療ジャーナリストが週刊ポストに掲載しています。さほど悪し様に書かれてはいません。ニッケル・クロム合金とか使ってんなよ的な事を書いてあるくらい。
(この記事には書かれていないけど、多分「ニッケルクロム合金を使って患者にセットしておきながら金パラで不正請求している悪徳歯科医も一部いる」なんて書きたかったのかもね、と思っています)

ただなぁ・・・・この人の連載、全部が全部正しいことを書いているワケでもないし結構恣意的だし、なにより掲載が週刊ポストってだけで何とも信頼度が低いというか・・・。

とはいえ、先日のプレジデントの記事の方が凄まじく低俗というか卑俗で屑の様な記事でしたけどね。