マリアビートル@audible 聴了

現代にも、日本に殺し屋は実在するのか!?

マンガでは「ゴルゴ13」「殺し屋1」「今日からヒットマン」「闇狩人」「シティハンター(殺し屋じゃないけど)」「ザ・ファブル」「ジーザス」などなど・・・

いっそクロスオーバーさせて「大乱闘スマッシュブラザーズ」とか「ジャンプフォース」とかのような主要殺し屋マンガの殺し合いさせると面白そうなんだがなぁ・・・・

と、不穏当発言だらけなのですが。

 

角川公式サイトより

伊坂幸太郎の「マリアビートル」は東北新幹線「はやて」の車内、東京-盛岡間、2時間半の間に繰り広げられる
「ドキッ!丸ごとはやて!殺し屋だらけの新幹線大会! ゴキリ(首折り)もあるよ」
です(40代以上の主に男性にしかわからないネタ)。

一応、伊坂幸太郎の殺し屋シリーズである「グラスホッパー」の続編的扱いですが、グラスホッパー時代のキャラクター二人(+α)はちゃんと脇役に収まっています。グラスホッパーを読まなくても大丈夫。グラスホッパー主人公の鈴木は、その過去を乗り越え透徹した感もある狂言回し?として。当時業界一の噂のある槿(あさがお)は微妙に重要な場所でちょっと殺しをするくらい。そもそも押し屋の槿に新幹線内での殺しは無理。

その新幹線内は、
みんなの不幸を肩代わりしているんじゃないかと言われるくらいついてない「七尾(天道虫)」。
元殺し屋で元アル中で、子供を重体にした相手に復讐すべく乗り込んだ「木村」。
物騒な業界でこわーい有力者の息子を窮地から救い出して送り届ける役目を負った現在の業界では優秀な「蜜柑」「檸檬」コンビ。
「木村」の復讐相手である、整った顔立ちの品の良い雰囲気の中学生にして直接間接に9人(だったかな?)殺した倫理観・道徳観が欠落した、他人を心理コントロールすることに長けた頭の良い「王子」。
彼ら4人(蜜柑・檸檬だから正確には5人)の視点で交互に語られるため、それぞれの思惑が読者は知ることが出来て、もどかしいやら腹立たしいやら。

そこに更に毒を使う「雀蜂」と元凄腕殺し屋「木村夫妻」が加わり、2時間半のめまぐるしい展開。

狙い狙われ殺り殺られ

「王子」に対する激しい嫌悪感と、
割と優秀な殺し屋なはずなのに不運で小心者でそんな自分に振り回され諦めてもいる「七尾」に対するほっこり感、
機関車トーマス大好き「檸檬」に知的な読書家「蜜柑」の漫才のような掛け合い。
かつての殺し屋は凄かったのさ、と現役を退いてもなお貫禄を見せつける「木村夫妻」。

その2時間半の間に張られまくった伏線やさりげない豆知識、それを活かした魅せ方、
檸檬の最後のメッセージを上手く蜜柑は使うんだろうな、と当たり前のように予想していたら、すんでのところで使われず、役に立たず(いや魅せる効果としては役立ってるんだけど)、蜜柑が格好良いなぁと思っていた矢先に、「七尾テメェ何してンだよ!!」と思わずにいられない展開。

 

最後は、直接描写ではなく間接描写で結末を知る。

 

そして復活のレモンとミカンに、にやりというかほっこり。

 

マリアビートルのタイトルは、天道虫はレディビートルと言われ、そのレディはマリアを意味しているということから、タイトルでいえば天道虫と揶揄される七尾が主人公なんだろうけど、主要登場人物みな魅力的でアル中「木村」以外全員主人公。

 

こうなると、audibleだけではなく小説版も読みたくなるし、またグラスホッパーも読み直したくなります。
なんせ、僕の中のグラスホッパーは、マンガ版「魔王~ジュブナイルリミックス」が混ざって記憶が曖昧になっているから。

そして、殺し屋シリーズ3作目の「AX(アックス)」も読みたくなりますね。audible版も出ないかなぁ。