「ジョーカー・ゲーム」シリーズ@audible聴了

柳広司原作の「ジョーカー・ゲーム」およびその続編である「ダブル・ジョーカー」「パラダイス・ロスト」「ラスト・ワルツ」を聞き終えました。

緊張が高まってきている太平洋戦争前の日本帝国陸軍の中で異例のセクション「D機関」。魔王と称される結城中佐が設立したスパイ養成機関(学校)。
帝国陸軍では地方人と呼ばれる陸軍学校等以外、帝大、早稲田、慶応や海外の大学卒業者などから選出した学生は、奇妙奇天烈、およそ考えつかないような試験を軽々とクリアした化物揃い。

その試験とは、試験(面接)会場までの階段の段数は何段だったかとか、世界地図を置かれサイパン島はどこかと問われるもその世界地図からはサイパン島は巧妙に消され、それを指摘すると、その地図を広げたテーブルの下にある道具は何かを聞かれる。およそ意味の無いような文章を暗記させられ、それを逆から暗唱させる。などなど。

それを易々とクリアした化物は皆一様に持っているのが強烈な自負心。こんなこと出来るのは自分だけだろう、これくらい自分なら出来て当然だ。
養成学校としての講義も、各国の言語、医術、薬理学、電信学は当然として、縄抜けや錠前破り、女の口説き方、その時代前後の各世界の重火器の扱い方・分解の仕方、暗闇で指の感覚一つで短波ラジオを分解し、組み直す。服を着た状態で長く水練させられ陸地に上がったら前日暗記させられた暗号化文章を普通に戻して語らせる、など。

およそ軍人らしからぬ風体と、軍人にあるまじき訓戒「死ぬな、殺すな」。死ねば、もしくは殺せば否応なく耳目の関心を呼ぶ、それはスパイとして失格。
また帝国陸軍であることを悟られぬ為に「天皇陛下」の言葉に直立不動は厳禁、そればかりか神聖不可侵現人神であらせられる天皇陛下あっての大日本帝国において天皇制の是非を議論するリベラルさ。

そんな彼らに本名は出てこない。その任務にあった偽の名前と偽の経歴、その彼の特徴、性癖などを完璧にカバーし、それら資料また任務内容は読むだけで記憶。

彼らの活躍が短編オムニバスで収録されています。
だから、出てくる名前「三好」「飛崎」「蒲生」「伊沢」「真木」など全員偽名。作中、正確にはD機関ではないけど佐久間中尉だけは本名。結城中佐ですらおそらく偽名(「パラダイス・ロスト」中「追跡」で結城なる名前は士官学校にすら存在しないことがわかっている)。

 

内容は多岐にわたり、誰がD機関員なのか?ということを考えつつ聞いていたり、出てくる謎をどう解決していくのか、など。

声がいい。

吉開清人さんという声優さんで、プロフィール見るとあまり一線で活躍している感じがないけど、声がいい。読み分けもいい。
ただ、大概においてイケメン声がD機関員という癖が・・・。
(そして本人のブログはプラモデルばかり作っているという・・・)

そしてスパイは目立ってはいけない、という前提があり、D機関についても各国の連中は「日本にそういうスパイ養成機関がある」という噂がある、というレベル・・・・・だったらまだいいんだけど、

その噂の中に、養成機関の試験内容や訓練内容まで噂として知れ渡っている、というのはスパイ養成機関としてはどうなんでしょう・・・・?

また、小説でも特に「三好」の容姿はどうやら秀麗っぽい描かれ方をしているけど、「スパイは目立たないこと」「目立つ容姿はそれだけで注目を浴びる」と後に書かれているのに、
ジョーカー・ゲームのアニメではみんなイケメン揃い。

TVアニメ「ジョーカー・ゲーム」公式サイトより

これはアニメ的に仕方が無いのか?

そして、アニメ第一話がAmazonプライムで0円だったので見たけどなかなかいい感じ・・・・なんだけど、帝国陸軍軍人である佐久間が三好達に激昂する、ある意味天皇制に対する疑義の場面がカットされてたり、佐久間に結城が問うた「自決したらどうなる?」という答えの「靖国で同期に会えます」が、「靖国」ではなく「向こう」と台詞が改変されているのは、いろいろと配慮かな?

第二話は有料だけど、ジョーカー・ゲーム後編では敵国スパイとおぼしき人物が隠したマイクロフィルムは、「御真影」の後ろなんだけど、「御真影」は天皇・皇后の写真。
だから、まともな?憲兵は御真影には絶対に手を付けない。それをD機関は見抜くわけだけど、配慮的には「御真影」の詳しい説明はないのかな?
気になるけど有料か・・・206円・・・

気になると言えば、原作ではスパイ映画のような派手なアクションはスパイとしてあり得ないと言っているけど、アニメのオープニングでは結構派手さを予想させるカットが散らばっているのはなんでだぜ?