オーラバトラー戦記

世代的に機動戦士ガンダム、俗に1stガンダムと呼ばれる世代なのだけど、その世界に入ったのは小説からです。
何故なんでしょうね。

アニメを50数話見るより小説の方が早いからなんですが、ガンダム小説は監督である富野由悠季氏が書いていますが、中身はかなーり違います。
民間人だったアムロ・レイは新人の軍人だし、セイラ・マスとはデキてしまうし、ハヤト・コバヤシは死ぬし、ジオンのガウ攻撃空母は宇宙を飛んでいるし、全3巻の3巻目の途中でシャアと解り合った直後に打たれて死ぬし。その遺志を受けてカイ・シデンがニュータイプ化しちゃうし。
そんなんだからアニメ準拠の小説版Zガンダムでは冒頭に小説版ガンダムとは繋がらないよと注意書きがあるくらい。

なので。

同じく富野由悠季監督のアニメ「聖戦士ダンバイン(音出ます)」のノベルズ版とも言えない大幅改編の「オーラバトラー戦記」もこれを読んで聖戦士ダンバインがわかるわけではなく。

15年以上前に買った小説を、kindleで買いなおして今読んでいます。角川版全11巻中今2巻。
北方水滸伝も併せて読んでいたのですが、アレ、熱すぎて連続で読んでいると疲れるんですよね・・・。

主人公城毅(ジョウ・タケシ。通称ジョク)は大学の休みを利用して飛行機のライセンスを取得するためロスに行き、観光に来ていた後輩の田村美井奈に出会い、バイクで事故に巻き込まれた瞬間、オーラロードに乗ってしまいバイストン・ウェルという中世風の異世界へ転移する。3年前に同じく転移したアメリカ人ショット・ウェポンから聞いた話ではバイストン・ウェルは地上の人たちの想い、夢、妄想からできた世界だという。そのオーラに満ちた世界で、呼ばれたジョクはバイストン・ウェルの人たちよりオーラを扱う力が強く、その世界で生き抜くために聖戦士として戦いに巻き込まれていく・・・・

 

ふと。

あれ?これって最近ラノベでお腹いっぱい設定の異世界転生モノじゃねぇ?
読んだこと無いから思いっきり殴られそうな偏見だけど、
最近のラノベのテンプレって、
現実世界で冴えない普通の人が何かをきっかけ(たいがい事故)で中世風で魔法もありありの世界へ転生して、
しかも、その世界は作家の基本ゲームや既存のファンタジー小説をベースにした浅い知識で構成された世界観だから矛盾やご都合も多く、
その上冴えない主人公は転生したときになぜか皆が一目置く程の能力も付与されているか、冴えない人生経験でも優秀扱いされるくらいその世界のレベルが低く、しかも美女からモテまくりハーレム状態という、
書き手と受け手の絶対不可能理想的妄想を書きなぐった安っぽい小説もどき、というイメージなのですが、

 

オーラバトラー戦記におけるジョクもそこの世界の人たちよりオーラ力が強い(この世界に呼ばれて生きている地上人はオーラ力がそもそも強い)し、お姫様に一目惚れされるし、このバイストン・ウェルは人の妄想から生まれた世界だから、あくまで中世「風」であり時代背景にそぐわなくてもOKというある意味いい加減な設定が許されている。
ありゃりゃ、最近の異世界転生モノと同じじゃないですかい。
ただし・・・多少チートっぽい部分はあっても、かなーり意にそぐわない生死の狭間にいる過酷な人生歩まされているので、羨ましくも何ともない境遇なのが異なりまくりなのですが。

 

1983年放映の聖戦士ダンバイン、そして1986年連載開始のこのオーラバトラー戦記、こんな30年前に異世界転生(正確には異世界転移)モノを富野御大がと思うと先見もいいところですが、案外こういう異世界転生、異世界転移モノって昔からあるようですね。

ブックオフに異世界召喚、転移、転生ファンタジー小説の年表なるものがありました。

もっともこれによると80年代は年に2~3冊刊行される程度ですが、徐々に増えていき、2015年にはこの年表だけでも200冊以上も刊行されている。タイトルも気持ち悪いし二番煎じどころじゃない粗製濫造の誹りは免れ得ないでしょう。読まないと批判も出来ないけど、多すぎるしタイトルや表紙絵からこれっぽっちも読む気が起きない・・・。

 

そしてオーラバトラー戦記は最後の方は「皆殺しの富野」の異名を遺憾なく発揮するんだけどね・・・。